2006年4月号
【表 紙 説 明】
可搬型18 cmサブミリ波望遠鏡は,中性炭素原子の放つサブミリ波禁制スペクトル線(周波数492 GHz)による銀河系の広域観測を行う目的で開発された,極めて小型のサブミリ波望遠鏡である.中央の写真はアンデス山中に佇む可搬型18 cmサブミリ波望遠鏡,左上は口径18 cmのオフセット・パラボロイド主鏡,左中は500 GHz帯超伝導ミクサー受信機,左下は広帯域音響光学型分光計.望遠鏡最大の特徴はその可搬性にあり,世界中のあらゆるサブミリ波優良観測サイトに持ち込むことができるところにある.望遠鏡はチリ北部のアタカマ砂漠パンパラボラ(標高4800 m)に移設され,2002年9月に当地で初めて天体からの中性炭素スペクトル線を検出することに成功した.翌2003年秋には銀河系内域のサーベイ観測を行い,世界に先駆けて中性炭素原子の銀河系分布を明らかにした(右図).(EUREKA「銀河系内の中性炭素原子」記事参照) 資料提供:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
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