2009年6月号
【表 紙 説 明】
ROSAT衛星によって得られた3/4 keVバンド(約0.4-1.2 keV)の軟X線背景放射の全天図.この放射は銀緯が20°以上であれば銀河系全体を見通している.点線で囲んだ領域は銀河系内のローカルな放射源であり,これらを除く方向からの軟X線背景放射の強度は,ほぼ一様(20% 以内の違い)である.しかし,ROSAT衛星はエネルギー分解能が乏しく,軟X線背景放射の放射源が何であり,視線上のどの距離にあるのか,あるいは,どの距離にある放射がどれだけ寄与しているのかなどの理解は進んでいない.本稿の研究では,白丸で示した方向をエネルギー分解能が優れた「すざく」衛星で観測し,軟X線背景放射に含まれる酸素輝線をプローブとして,放射源の物理状態や起源に迫った.
(EUREKA記事「『すざく』衛星で探る軟X線背景放射」参照)
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