2011年3月号
X線天文衛星「すざく」に搭載されているX線CCDで撮影されたA 1689銀河団の画像.銀河団の全体をカバーするために四つのオフセット観測を行ったので,四つの画像を重ね合わせてある.CCDの二つの角は,較正用の放射線源が照射されているため,画像からくり抜いてある.銀河団の中に充満している高温ガスからの広がった放射が見えており,中心ではX線の強度が強く(白),外側に向かってだんだん弱くなっている(黄色,赤,青).今回,かつてないほど外側まで,高温ガスからの放射を検出することに成功した.「すざく」の登場によって,未知であった銀河団外縁部ガスの状態が明らかになりつつある.点状に強く光っている部分は,活動銀河核などの,点源からの放射である.
(EUREKA 「すざく衛星がとらえた銀河団外縁部ガスの特徴とその周辺の大規模構造との相関」参照)
|