2011年4月号
シミュレーションから得られた,星団と中間質量ブラックホールによって銀河中心に運ばれた若い星のスナップショットとその軌道.銀河中心近くで生まれた若い星団は力学的摩擦によって銀河中心に沈む.その途中で星団内の星どうしの合体により中間質量ブラックホールが形成すると,星団の星はこの中間質量ブラックホールとの平均運動共鳴によって銀河中心に運ばれることが,N体シミュレーションによって明らかになった.このメカニズムによって銀河中心に運ばれた星は,銀河系中心で実際に見つかっている若くて重い星「S-stars」の面密度分布や軌道分布をよく再現する.図の赤い矢印は星の速度,点線は星の軌道を表している.
(EUREKA「N体シミュレーションで探る銀河系中心部の若い星の起源」記事参照)
|