2011年12月号
大質量星形成領域 W3(OH)に付随する6.7 GHzメタノールメーザー源の内部固有運動を大学VLBI連携で初めてとらえることに成功した.得られた運動をカラーベクトルで示し,視線速度によって青~赤へと色づけしている.今回,5-10キロメートル毎秒程度の運動をとらえており,べクトルの長さが天球面上の内部固有運動の大きさに対応している.背景にぼんやりと暗く色づけされた領域は超コンパクトH II領域と呼ばれ,ここでは,内部にある生まれたての大質量星から放射される紫外線によって,周囲のガスが電離されている領域である.こちらは強度別に色分けをしており,赤い部分が最も放射強度が強い.この超コンパクトH II領域周辺で,6.7 GHzメタノールメーザー源は全体的に南北方向の膨張を示唆し,これは過去にとらえられたOHメーザーの運動(白抜き矢印)とも全体的な傾向が一致している.
(EUREKA「メタノールで探る動力学的な銀河系構造研究を目指して」記事参照)
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