2012年6月号
フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡による超新星残骸G8.7-0.1のギガ電子ボルト(109eV=GeV)帯域のガンマ線イメージ.等高線はH.E.S.S.望遠鏡で得られたテラ電子ボルト(1012eV=TeV)帯域のガンマ線輝度分布を示す.統計的な検定を行った結果,両者の輝度分布は異なっていることがわかった.エネルギースペクトルの形状も考慮すると,GeVガンマ線はG8.7-0.1で加速された宇宙線原子核が近傍の星間ガスと反応して生成されていると考えられる.一方,TeVガンマ線はG8.7-0.1で加速された高エネルギー宇宙線が星間空間へと拡散し,数十パーセク程度離れた分子雲と衝突して生じていると考えると,輝度分布の違いも含めて自然に説明できる.
(EUREKA記事「超新星残骸の折れ曲がったガンマ線スペクトルについての研究」参照)
背景はシドニー天文台Sydney Observatoryです.
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