2014年3月号
【表紙図説明】
X線天文衛星すざくによって得られた,中性子星連星4U 1626–67の自転パルス位相ごとに分けたX線スペクトル(青:パルスの山 赤:パルスの谷).磁場の強い中性子星と恒星の連星系では,恒星の大気が磁場に沿って中性子星の磁極へと流れ込み,数千万度の高温プラズマの柱が形成されX線を放射する.その硬X線スペクトル中には,しばしば強磁場によってランダウ準位に量子化されたプラズマ電子のサイクロトロン共鳴散乱による構造が見られる(図の40 keV付近).これまでこの共鳴散乱構造は吸収線として発見されていたが,今回すざく衛星による4U 1626–67の観測から,パルス位相によって吸収構造が輝線構造に変わることを発見した.
(EUREKA「中性子星強磁場が作り出すX線輝線構造の発見」記事参照)
【表紙デザイン】
アイルランド・セントパトリックデー(3月17日)
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