2007年2月号
【表 紙 説 明】
スピッツアー(Spitzer)宇宙望遠鏡とヨーロッパ南天文台に搭載された装置は,感度がよい.これらの装置を使って観測すると,輻射強度が1 Jy以下しかない大小マゼラン星雲(Large and Small Magellanic Clouds: 図中ではLMCとSMCと表記)中のAGB星であっても,質が高いスペクトルが得られる.炭素過多なAGB星のスペクトルからは,アセチレンC2H2 などの吸収帯や11ミクロンのSiCダストの放射や「30ミクロンの放射」(MgS起源と思われている)が明確に検出された.図の一番上のスペクトルは,参照のために載せた赤外線宇宙天文台(ISO)によって得たわれわれの銀河系のAGB星のスペクトルである(放射強度はスケールされている). (EUREKA「系外銀河中のAGB星の研究は何がおもしろいのか?」参照)
背景:国立天文台10m電波望遠鏡(国立天文台所蔵)
挿入絵:「宇宙で大ぼうけんしている機関車」滋賀県草津市立笠縫東小学校2年生提供
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