2007年11月号
【表 紙 説 明】
「なんてん」電波望遠鏡により,銀河系中心部からおよそ1500光年の位置に,二つのループ状分子雲が発見された.これらの分子雲ループは,銀河系中心部特有の高速運動を示し,その全運動エネルギーは1051 ergを上回るため,ループの起源を単一の超新星爆発で解釈することは難しい.今回,われわれは磁気流体力学の理論チームと共同でこの問題に取り組み,パーカー不安定による磁気浮上モデルによってループの起源が説明できることを導いた.太陽表面のループと比べると1兆倍の大きさである.本号では観測と理論の記事2編によって,銀河規模の磁気浮上ループを解説し,その意義を探る.
(EUREKA「銀河系中心部における磁気浮上ループ」参照)
表紙絵説明
背 景:天文月報第1巻第1号 所載(1908年)(日本天文学会所蔵)
挿入絵:「ガリバーさん宇宙へ行く」滋賀県草津市立笠縫東小学校4年生提供
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