2009年12月号
【表 紙 説 明】
中性鉄蛍光X線(6.4 keV)は1994年にあすか衛星でいて座B2(Sgr B2)付近の分子雲から発見された.これは銀河中心ブラックホール(Sgr A*)の過去(約300年前)のフレアX線を反射し,一部は蛍光X線を再放出したと考えられるので,X線反射星雲と名づけられた.その後2000年にチャンドラ衛星で,2004年にXMM-ニュートン衛星で,さらに2005年にはすざく衛星で観測された.その結果,10年間で6.4 keVの強度が約2/3-1/2に減衰したことがわかった.すなわち,Sgr A*の300年前のフレアは10年ほどの時間スケールで変動したのである.(特集『銀河中心Sgr A*とブラックホール時空』記事
「「すざく」がみた銀河中心の活動性」参照)
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