2011年5月号
すばる望遠鏡の主焦点広視野CCDカメラ(Suprime-Cam)の写野に写った,全部で127個の小惑星を示した図.観測日は2001年10月21日.Suprime-Camの受光面は図のように10個のCCDチップからなり,視野の広さは34'×27'である.2分露光を4分間隔で繰り返し,ほぼ8時間連続的に撮像した.約3時間分の画像から8枚を選び,交互にポジ像とネガ像を作り,それらを重ね合わせて1枚の合成画像を作成したのが本図である.小惑星は移動するので,この操作によって小惑星は合成画像の上で白と黒の点線のように見える.そのため,比較的容易に暗い小惑星まで発見することができた.図では,それら小惑星の3時間の運動がわかりやすいように白い線分で表示してある.この方法は,小惑星が背景の星や銀河と一時的に重なった場合でもきわめて有効だった.
(SKYLIGHT「微小小惑星の観測統計10年」記事参照)
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