日本天文学会では、筑波大学で春季年会を開催するにあたり、以下の日程で公開講演会を行います。
公開講演は、筑波大学とも深く関係する講演です。 是非ご参加ください。
日時:2020年3月15日(日)13:00〜15:30 (開場 12:30)
※新型コロナウィルス感染拡大防止のため、中止になりました
場所:つくば国際会議場 中ホール200
対象:中学生以上・一般向け
テーマ:「誰も見たことのない宇宙を覗く」
20世紀から21世紀にかけて天文学では全く新しい革新的な観測手法を用いることによって、系外惑星の発見や重力波によるブラックホールや中性子星の合体の検出のように誰も見たことのない宇宙の姿を垣間見ることを可能にした研究が数多くなされてきました。本講演会では、そのような常識を覆す天文学の研究成果として、日本の研究者が深く関わっている「はやぶさ2」による小惑星リュウグウのサンプルリターンミッションとイベント・ホライズン・テレスコープによるブラックホールシャドウの直接撮像について、研究の最前線で活躍中の研究者が紹介します。
講師・タイトル: 下記をご参照ください。
参加費:無料(事前申し込み不要)
定員:200名(先着順)
<講演内容の紹介>
講演1:「小惑星探査機「はやぶさ2」の挑戦とその成果」
講師:吉川 真(JAXA 宇宙科学研究所 准教授)
「はやぶさ2」は、小惑星サンプルリターンミッション「はやぶさ」の後継機として、2014年12月3日に打ち上げられました。約3年半の宇宙の航海を経て、2018年6月27日に目的地である小惑星リュウグウに到着しました。初めて見るリュウグウの姿は、"そろばんの珠"の形という全く想定外のものでした。まずはリュウグウを徹底的に観測し、その後、「はやぶさ」では失敗してしまった小型ローバによる探査やタッチダウンを行い成功しました。さらに世界初となる小惑星表面に人工的なクレーターを作るという実験、そしてその人工クレーター付近からのサンプルの採取にも成功しました。これで、小惑星で行うべき作業はすべて終了しました。あとは2020年末に地球に帰還するだけとなります。ここでは、「はやぶさ2」が挑戦したこととその結果についてご説明します。
講演2:「地球規模の巨大望遠鏡が明らかにした巨大ブラックホールの姿」
講師:本間 希樹(国立天文台 水沢VLBI観測所 教授)
国際共同プロジェクトであるイベント・ホライズン・テレスコープが、史上初のブラックホールの影の撮影に成功したと2019年春に発表しました。その写真には、楕円銀河M87の中心に位置するドーナッツ状の構造が捉えられていました。そのドーナッツの中心部こそが、「ブラックホールが光すら脱出できない天体である」ことを視覚的に示したものです。本講演では、同プロジェクトで日本チームの代表を務める講師が、その撮影の意義や観測方法などについてわかりやすく解説します。
プログラム・アクセスにつきましては開催地大学HPをご覧ください。
主催:公益社団法人 日本天文学会
共催:筑波大学
後援:つくば市教育委員会