2009年10月号
【表 紙 説 明】
赤外線天文衛星「あかり」によって撮像された,ポンプ座U星(漸近巨星分枝星)の星周殻の波長90マイクロメートル画像.同じ観測方法で得られた点源画像を使ってデコンヴォリューション(分離分解)してある.中心星(中央の白いピクセル)の周りに半径およそ30秒角の星周殻(赤)が見え,さらにその周りに半径およそ150秒角のもう一つの星周殻(緑)が見えている.過去の研究から,この天体の周りには二重の星周殻の存在が示唆されていたが,両方の星周殻を空間解像できたのは今回の「あかり」観測が初めてである.この天体までの距離と星周殻の膨張速度から,これらの殻がおよそ8000年の時を隔てて発生したことがわかり,質量放出の履歴からその物理を理解していくための重要なヒントとなる.
(「あかり」特集:『赤外線天文衛星「あかり」がとらえた質量放出』記事参照)
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